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2章 商材となる詞と曲

詞と曲は音楽アーティストが経済的利益を得るために不可欠です。つまり音楽アーティストにとっての商材と言えます。その詞と曲は、日本の著作権法のもと著作物として保護されます。著作権法では著作物に以下の要件を定めています。

「人の思想や感情」 であること
「創作的」 であること
「表現したもの」 であること
「文芸、学術、美術又は音楽」 のいずれかに属するものであること
「表現が固定された有形物ではなく、表現された"もの (無体物) "」 であること

「日本国民 (法人を含む) の著作物」 であるか、
「最初に国内において発行された著作物」 であるか、
「条約によりわが国が保護の義務を負う著作物」 であること。

「著作権法第十三条で定める四種類の著作物」 ではないこと

音楽に限らずこれらの要件をすべて満たしたものが 「著作物」 となります。

著作権法 第二条第1項第一号

「著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するもの」

  • 「人の思想や感情」 である必要があります。単なるデータ (建造物の寸法など) や動物が創作した曲などは著作物ではありません。
  • 「創作的」 である必要があります。機械的な複製・複写や模倣品などの創作が加わっていないものなどは著作物ではありません。ただし強烈なオリジナリティの必要はなく作者の個性が表現されていれば良いとされます。またキャッチフレーズやアルバムタイトル・曲名も著作物ではないとされます。
  • 「表現したもの」 である必要があります。頭の中にあるアイデアなどは著作物ではありません。
  • 「文芸、学術、美術又は音楽のいずれかに属するもの」 である必要があります。工業製品などは著作物ではありません。
  • 「表現が固定された"物 (有体物) "ではなく、表現された"もの (無体物) "」 である必要があります。音楽の著作物は無体物である詞や曲そのもののことです。それらを収録したLP盤やCD盤は著作物ではなく、著作物である詞や曲を公衆に伝達する手段としての工業製品です。

著作権法 第六条

「著作物は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。」 (各号の引用は割愛)

各号は以下の三項目です。

  • 「日本国民 (法人を含む) の著作物」 であるか、もしくは、
  • 「最初に国内において発行された著作物、又は最初国外において発行されたがその発行の日から三十日以内に国内において発行された著作物」 であるか、もしくは、
  • 「条約によりわが国が保護の義務を負う著作物」 である必要があります。

※条約とは、国際的に著作物を保護するベルヌ条約や万国著作権条約などのことを指します。外国人の著作物をどう保護するのかについて定めた条約です。

著作権法 第十三条

「次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。」 (各号の引用は割愛)

各号とは以下の四項目を指します。

  • 「憲法その他の法令」 ではないこと、さらに、
  • 「国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの」 ではないこと、さらに、
  • 「裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの」 ではないこと、さらに、
  • 「それらの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの」 ではないこと。

以上のことから、あなたが創作した詞と曲は、これらの用件にあてはまる範囲の詞と曲に限り日本の著作権法のもと 「著作物」 として保護され、商材として販売しえることがわかりました。音楽アーティストが行う 「原盤制作」 および 「CDプレス」 して 「販売する」 行為は、 「商材 (詞と曲) を実演してその音をレコードに固定」 し、さらに 「そのレコードをCD盤に複製」 して 「対価と引換えに利用したい人に譲渡する」 ことと言えます。

つづいて 「著作物を創作した著作者に与えられる権利」 について見ていきましょう。

← 1章 利用許諾で利益発生 はじめに 3章 著作者の権利 →

※著作権法をもとに制作現場の一般事情を加味し、かつ音楽分野の視点で構成しています。図版・文章の正確性を保障するものではありません。詳しくは文化庁発行の 「著作権テキスト」 「著作権に関する教材資料等」 をご覧ください。
※このおぼえがきは平成25年に書いたものです。閲覧されている現在の状況とは異なる場合があります。
※参考文献 : 『著作権テキスト/文化庁』 『すぐに役立つ音楽著作権講座/秀間修一』